富山市が、国土交通省主催の「令和2年度 i-con大賞 国土交通大臣賞」を受賞しました。その取組みにおいて、株式会社風景デザイン研究所が作成した橋梁(八田橋)BIM/CIMデータを採用していただきました。
およそ8年前、当時 富山市建設技術管理監(現、富山市政策参与、国立研究開発法人土木研究所招聘研究員)であった植野芳彦様の御指導のもと、富山市街地にかかる八田橋の橋梁掛替にともなうBIM/CIMデータを構築し活用する事業がスタートしました。
当時は植野様の情熱と発想に当社が応えるべく取り組みました。当社も植野様の発想に感銘を受け、単に設計図を3次元化したデータを構築するのではなく、現在の建設DXにも通ずる構想を基にBIM/CIMデータを構築しました。
八田橋BIM/CIMデータは、詳細度(LOD)400クラスの精度で構築し設計段階から鉄筋干渉確認や図面照査、基礎や桁との接合部構造の設計協議、住民説明や富山市WEBサイトの公開等に活用しつつ、完成度の高いBIM/CIMデータを富山市へ提供できました。
行政が行う維持管理業務の効率化も考慮し、過去の維持管理データをリンクさせて、近年増加傾向にある自然災害に対しても迅速な対応ができるようにBIM/CIMデータを構築しました。
デジタル情報であるBIM/CIMは、事前にデータのバックアップを他地域へ避難させておくことで、本部が被災しても素早く情報を取得でき迅速対応が可能な体制作りを行うことも可能です。
富山市 八田橋BIM/CIMデータは、BIM/CIMが建設DXの中核となることを実践で証明したプロトタイプとなりうるものです。
BIM/CIMを全国で効果的に活用するには、作る人と使う人が自ら主体性をもって取組むことが重要です。加えて、BIM/CIMを導入する企業にとって、事業がビジネスとして成り立たなければ、広がってゆきません。当社では、八田橋BIM/CIMモデル作成業務の経験をもとに、将来的に地方行政区に存在する橋梁等のインフラ構造物をBIM/CIMデータ化して、総合的な維持管理ができるように3次元インフラデータベースを構築する事を考えています。
【植野芳彦氏】
・植野インフラマネジメントオフィス代表
・富山市政策参与
・国立研究開発法人 土木研究所 招聘研究員
※ 八田橋BIM/CIM作成当時:富山市建設技術管理監
プロジェクトでの実際のBIM/CIM活用例
橋梁へのライフライン添架にともなう関係者協議(NTT、ガス、電気、警察、等様々な業種)に力を発揮
施工にも活用(ヤード配置と区域、交通の切り回しステップ、建築限界の照査と施工機械の選定、架設の検討、現場作業員への説明周知など)
周辺住民への周知や説明会への活用、チラシの作成への活用
行政担当者の維持管理業務の省力化(インテリジェント化)に活用
今まで他部署で管理されていた工事関係者の情報(名前、連絡先、住所など)をBIM/CIMデータに付与し、いつでも必要な情報を取り出せるようにしたことにより、日々の業務の効率化をはかることができた。
さらに旧橋の情報(高欄のステンドグラスなど)とともに新設橋の情報(写真、図面、設計施工関連情報など)をBIM/CIMデータに付属させ、後生に簡単・確実に伝える事の出来るデータベースとした。
【 当プロジェクトのインフラデータのイメージ図 】
株式会社風景デザイン研究所のBIM/CIM
当社社長は過去に米国建設コンサルタント会社に在社し、すでにBIM/CIMの原型とも言える3D CAD や3D CGを用いた土木・建設分野での有効活用法を米国の現場で実践した実績があります。そのリーダーシップの下、会社設立当時から今日まで、一貫して「視覚化、ビジュアル化」された物が「人に対して最も説得力がある」という考えのもと、2D・3Dのビジュアルデータの活用技術に取り組んできました。その実践ノウハウに加え、社員の豊富な土木への知識・経験をベースに「現場の使用に耐えうるビジュアルデータ」を制作・コンサルティングいたします。
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